扁桃腺摘出手術~再出血・再手術も体験、術後の後遺症も~喉・声の大切さを再認識
喉や声の調子にこだわるきっかけの1つに、扁桃腺の摘出手術があります。
2か月に1度、ひどいときには2週間に1度のペースで38~39度の高熱に悩まされる日々でした。
そこで、摘出手術に踏み切ったわけです。
術後はほとんどしゃべることができず、自分の希望や感覚を伝えるのに、ここまで困難を感じたことはありませんでした。
さらに、当初の退院前日には再出血を起こし、縫合のための再手術まで受けることに…。
扁桃腺摘出手術で再手術に至るのは、いまでは稀なケースとも聞きます。
扁桃腺による喉・声の不調に悩む方々のお役にたてればと、今回は、その一連の流れをまとめてご紹介していきます。
目次
扁桃腺摘出手術の決定から入院前まで
ざっくりとした流れを書きますと、
・手術を受けるような頻繁な高熱
↓
・かかりつけの耳鼻咽喉科で相談
扁桃腺摘出手術を受けることを決定
入院を希望する病院への紹介状を書いてもらう
↓
・希望する大学病院の耳鼻咽喉科を外来で受診
診察後、術前検査も含めた手術のスケジュールを決定
↓
・術前検査
手術まで1か月を過ぎたところで受けました
内容は、血液検査、心電図、胸部レントゲン手術に耐えられる状況かどうかを確認
そして、入院日を迎えるわけです。
…が、私の場合、術前検査3~4日前に、扁桃腺が影響した高熱を発してしまいました。
かかりつけ医に、術前検査の日程が近いことを伝えると、「血液検査は2度目があるかもしれないが、薬を飲んでいることを、検査当日、担当医に伝えてください」と対処方法を教えてくれました。
幸いなことに、1回で済みましたが、これは、少し焦りましたね。
なお、入院のタイミングについて、金銭面の負担を減らすなどのポイントをまとめた↓こちらの記事↓を、参考にしてみてください。
扁桃腺摘出手術を決めてから入院までの喉のケアについて
高熱が頻繁に出るようになって、扁桃腺の摘出手術を決めたわけですが、即手術とか数日後に手術というわけにはいきません。
仕事のスケジュールや執刀医のスケジュール、手術室のスケジュールがありますからね。
体に負担がかかると、高熱が出るということがわかっていましたし、睡眠時間を確保できるように、自分の予定を調整するのもケアの1つでした。
そういうこともあって、扁桃腺を切除するまでの数か月、仕事の量も、少し抑えました。
それ以外に、喉や扁桃腺を守るためにしていたことを、いくつか挙げます。
あくまでも体験談ですので、万人に有効というわけではありませんが、興味があれば、試してみてください。
ばい菌対策、保湿対策に、うがいや鼻うがいで喉・扁桃腺のケアをする
小さいころから風邪対策で言われていることが、実は、大切になってきます。
特に、乾燥している冬に外出先から帰ってきたら、必ず、喉を潤して、ばい菌対策をしていました。
ただ、私の場合、鼻うがいも、セットでやっていました。
鼻うがいは、普通の水やお湯でやると、頭がつーんとして痛いだけですので、市販されている専用の鼻洗浄液を使います。
鼻腔には、風邪などのトラブルを引き起こす花粉やハウスダスト、雑菌などが潜んでいるといわれていますが、これらを取り除いてくれるのが、鼻うがいです。
最初は抵抗があるとは思いますが、私の場合、継続してやっているうちに、鼻の中を洗浄液が流れるようすがわかるほど、落ち着いてできるようになりました。
喉の違和感対策にプロポリスが入ったのど飴やスプレーを常備する
仕事量の調整や鼻うがいといったケアを続けていても、扁桃腺の腫れを抑えることができないときもありました。
仕事の量を抑えると言ったって、忙しくなるときは忙しくなるもので、一息ついたら39度の熱、なんてこともありました。
声の仕事に就く人以外でも、私の周りには、扁桃腺が大きいと医師から言われている人が多く、仕事が忙しくなったら、高熱でうなされると話を聞きました。
それに、自分で自分の体調を管理していても、電車の混雑や子どもの風邪など、自分ではどうにもならない扁桃腺トラブルの原因は、数多く潜んでいるわけです。
自分自身のちょっとした異変に気づいたり、周りが咳でゴホゴホしている環境に入ったりしたとき、すぐに対処できるように、プロポリスの入ったのど飴やスプレーは、必ずと言っていいほど、持ち歩いていました。
実は、扁桃腺を摘出した後の喉や声のケアにも、必須のアイテムとして、使っています。
プロポリスとは、ミツバチが作り出す強い減菌力が特徴の産物で、代謝活動でも中心的な働きをするミネラル類や欠かすことできない栄養素であるビタミン類が豊富に含まれているといわれています。
私がよく使っていた「プロフィット(スプレー)」というグッズの詳細は、下のボタンをクリックすると、ご覧いただけます。
いつでもどこでも扁桃腺の腫れ対策をしたいとお考えでしたら、一度、見てみてください。
扁桃腺摘出手術:入院1日目(手術前日)
午後、入院先の病院へ向かい、入院の手続きをしていきます。
このとき、必要な書類をすべて整えたうえで、入院の受付窓口へ行き、係に渡してチェックしてもらいました。
私が入院する際に必要だった書類
・誓約書
・パジャマ使用願
・入院状況の確認書類
・健康保険証
・診察券
・前納金(金額は病院ごとに設定される)
以上のようなものです。
そして、経済的に助けてくれるのが
・健康保険限度額適用認定証
でした。
本来ならば、退院時に数十万円を払うことになるはずだったのですが、この認定証があったおかげで、その負担が一気に軽減されました。
しっかりと用意しておいた方が良いでしょう。
私の場合、↓こちらの記事↓にどれくらいの補助があり、支払ったのかまとめたので、参考にしてください。
その他、洗面用具やひげそり、タオル、バスタオル、コップなどの日用品、おくすり手帳は用意するよう、事前に伝えられると思います。
病棟に入ってからは診察、説明、確認の連続
まずは、自分のベッドに案内され、その後、トイレ、自販機、シャワールームなどフロアの説明を受けました。
そして、次からは連続して入院・手術に向けた具体的な説明や診察が続いていくわけです。
・入院計画、看護計画
個々の患者に合わせた、
入院・看護の流れについて説明など
・麻酔科医の診察
全身麻酔の説明
(私の場合は点滴から麻酔を入れていくもの)
気管挿管の説明
(術後、数日間は声枯れのような状態になるおそれ)
管が通りやすいか確認
アレルギーや病歴のチェック
家族が過去に全身麻酔を受けたかどうかのヒアリング
(遺伝的に効きにくい人もいるそうです)
固形物摂取禁止の時間・水分摂取禁止の時間の確認
アルジネードウォーターの摂取など
ちなみに、これが、人生初の全身麻酔でした。
・手術室看護師の説明
手術を受ける前から受けた後の注意点など
・担当医の診察
扁桃腺に炎症が起きていないかチェック
(炎症があると出血が止まらないため手術できないそうです)
そして、手術室入室の正式な時間が届きます。
私の手術は、翌朝8時30分から10時45分となり、手術前日の午後9時から固形物摂取禁止(水・お茶はOK)、手術当日の朝6時30分から水分摂取禁止、それに伴い、朝6時にアルジネードウォーターを250mlを摂取するよう指示がありました。
手術当日は朝・昼・夕食すべてなしです。
アルジネードウォーターとは
何度か出てくるアルジネードウォーターについて、このような説明を記載した病院のサイトもありました。
参考に引用いたします。
手術当日は、朝・昼・夕、いずれも食事ができないわけですが、その影響を抑えるものが、しっかりとあるわけなんですね。
一連の説明が終わると、あとは、のんびりとした時間が流れていきます。
本を読んでも良し、テレビを見ても良し。
ただ、私は、緊張もあって、そわそわしていたのは事実です。
午後9時の消灯になっても、すぐには寝ることができませんでした。
扁桃腺摘出手術:入院2日目(手術当日)
6時起床と同時に、アルジネードウォーターが運ばれてきて、250mlを飲み干しました。
そこからは、水ですら、胃の中に入れることは厳禁です。
あとは手術着に着替えて、血栓防止用の靴下をはき、時間が来るのを待つだけです。
直前には、家族も病室に到着し、30分程度ですが、くつろぐこともできました。
そして、8時30分の少し前、病棟の看護師から手術室に向かうよう案内を受け、扁桃腺摘出手術を迎えるわけです。
全身麻酔はあっという間に効果を発揮
手術室に入り、専用の帽子を身につけスリッパに履き替えます。
手術室の看護師がやってくると、間違いの無いように名前を確認します。
このとき、手術室内でも、何度か繰り返して、名前を確認されると、事前に教えてもらいました。
指定の手術室に入ると、スタッフが器具を準備していて、ベッドに横たわるようにいわれます。
度々、名前の確認をしながら、手際よく、心電図のモニターをつけ、手足を拘束し、利き手とは反対の手に点滴をしていき、全身麻酔を行うと頭の中が、もやーっとした感覚になると説明を受けました。
麻酔科医が麻酔を開始すると、点滴の針が刺さっているところに少ししびれを感じたと思うと同時に、一気に意識が遠のいていきます。
まぶたを閉じる直前、「よろしくお願いします」と発して、眠りにつくのでした。
人生初の全身麻酔でしたが、こんなに簡単に効くものなんだなと、わが身で感じることができたのです。
試練は術後3時間にある
意識が遠のいたと思ったらすぐ、と言っていいほどの感覚で、自分の名前を呼ばれます。
ここで麻酔から覚醒するわけです。
もちろん、喉から発する痛みとともに…。
そんな痛みを感じながら、手術室の時計に目をやると、実際のところ、入室から1時間30分ほどが経過していました。
一瞬の出来事のように思っても不思議ではありません。
ただ、その時の自分には、余裕なんてものはありませんでした。
喉の痛み、口蓋垂(のどちんこ)の腫れで唾液を飲み込むことができません。
もちろん、血液が混じっているので、飲み込むと気持ち悪くなりますし、唾液は吐き続けないといけなくなります。
酸素マスクを外し、唾液を吐く、この繰り返しです。
おう吐まではいかないまでも、お腹に気持ち悪さを感じますし、寒気を感じ続けました。
自分のベッドに移り、病室へと運ばれ、3時間、安静にしないといけないので、起き上がることもできないのです。
安静が解除されるまで、血液交じりの唾液を吐き続けました。
眠ろうとして目をつぶっても、唾液がたまってしまうので、すぐに目を覚ましていました。
このとき、家族がそばにいてくれて、心の底からありがたいと感じました。
冷たくなった自分の手を温めてくれたり、しゃべれない私のために筆記用具を持ってきてくれたり、その内容を、看護師さんに伝えてくれたり。
何度、ありがとうと言っても、足りないくらい、感謝の気持ちでいっぱいです。
なお、個人差はあると思いますが、私は術後3時間で、出血量はかなり少なくなりました。
ティッシュペーパーの減るスピードも、徐々に、ゆっくりとなっていきます。
痛みには変化がない一方で、少し安心した感情を抱くことができました。
3時間が経過すると、状態の確認もあるため、看護師の前で少量の水を飲めるかどうか、立ち上がることができるかどうかを見ていきます。
両方とも、こなすことができました。
大きな山場の1つは、術後3時間にあると言ってもいいでしょう。
もう1つの試練は、夜にやってくる
手術当日の夜は、なかなか眠ることができませんでした。
もちろん、痛さが原因の1つです。
痛み止めをもらい、氷枕で冷やすなどして、痛みを和らげていきます。
さらに、眠りにくいのは、腫れてしまった口蓋垂(のどちんこ)が理由でした。
大きくなってしまっているので、舌にくっついて呼吸がしにくい。
仰向けになると、今度は、喉の上に張り付いてしまう。
呼吸のしにくさもあって、眠りにくかったのです。
自分の眠りやすいポジションはどういうものか探ったところ、
横を向いて寝て、
かつ、
頭が少し下を向くくらいの姿勢が楽でした。
また、痛みなどで疲れて切っていたこともあり、楽な姿勢が見つかったら、少しは眠れるようになったわけです。
ただし、飲み込みにくい唾液を吐こうとして、何度も目を覚ましてしまいますが…。
扁桃腺摘出手術:入院3日目(手術翌日)~7日目(手術5日後)
手術翌日からは、出血がないかどうかの確認が重要になります。
担当医の診察も、かさぶたの状況を見て、出血していないかどうかをチェックします。
看護師の話の中身にも、出血の有無の確認が、頻繁に登場してきました。
その他、変化などについて、主なものをご紹介していきます。
声が出るようになったのは
講師業という仕事にとって、一番のポイントと言ってもいいかもしれません。
手術直後は、まったくと言っていいほど、声を出すことができません。
声帯を痛めたわけでもなく、口蓋垂(のどちんこ)の腫れと舌の痛みなどによって、思うように空気が通らず、音を出すための舌の動きもできないわけですから。
声が出るようになったのは、手術4日後くらいから。
出せるようになったと言っても、本来の発声とは程遠く、ようやく音になったという印象です。
乾燥による痛み
口呼吸になる、空調が効いているといった場合は、おそらく、朝、起きたときに、日中よりもひどい痛みに悩まされるかもしれません。
これは、再手術後の退院目前を除いて、ほぼ毎日、悩まされたことです。
入院先の担当医に聞いたところ、喉の乾燥により、痛みが増してしまうということです。
扁桃腺摘出手術を受けた際、喉を潤すときには、ゆっくりでいいので水を飲んでほしいということでした。
食事の推移
手術当日は何も口にすることはできませんでしたが、手術翌日には、キザミ食が提供されました。
全粥で、主菜・副菜はペースト状になります。
あまり噛まなくても飲み込むことができます。
手術から2日後には、すぐに噛み砕ける軟菜へと変わっていきました。
私は、噛むことで頭が痛くなるので、
食事をとったら氷枕で頭を冷やしながら休むというプロセスができあがっていたわけです。
キザミ食の一例
点滴の変化
手術直後は生理食塩水や抗生物質の点滴が行われます。
キザミ食を食べられるようになった手術翌日には点滴の一部が外れ、手術3日後には、抗生物質の点滴も外れました。
一部の点滴が外れたところで、入院先の担当医からシャワーの許可をもらいました。
2~3日間、お風呂に入ることができなかったので、この変化は、個人的に、とてもうれしいものでした。
ここまでは順調だったのです。
ところが、徐々に雲行きが怪しくなり始めました。
入院7日目(手術5日後)に、軽く口を潤したところ、吐いた水に血液が混じっていたのです。
診察直後だったため、すぐに担当医に伝え、無理をしないように指示を受けました。
そして、その翌日のことでした…。
扁桃腺摘出手術:入院8日目(手術6日後)再出血~再手術へ
入院前にかかりつけ医からは、扁桃腺摘出手術で再出血のタイミングに気を付けないといけないのが、手術直後と手術から約1週間後だと聞いていました。
自分でも気を付けていたのですが、まさか、自分に降りかかってくるとは、という印象です。
昼前になって、軽く何かが喉を流れる感覚が伝わってきました。
吐き出してみると、血の塊です。
大きさは3~4cm。
ナースコールで看護師にも状況を伝え、午後の診察で確認してもらうことになりました。
この時は、すぐに止まるだろうと甘く見ていましたが、どうやら事態は、そう簡単にはいかなかったわけです。
血の塊が立て続けに出てくる
血の塊を出した直後、横になって休もうとしたら、再び、違和感を覚えて、血の塊を吐き出してしまいました。
大きさは1回目と同じくらい。
昼食が出される時間帯でしたが、安静にしようと、何も口にしませんでした。
(あとから思うと、ここで何も食べずに正解でした。)
その後も、4~5回、続けて血の塊を吐き出します。
ちょうど診察の時間となり、1~2時間ほど、水分の摂取を止め、頭を心臓よりも高い位置にした状態で、ベッドに安静という指示が出ました。
点滴も打ち、ゆっくりと、止血剤を入れていきます。
これで、様子を見ることになりました。
ここから、ティッシュが手放せない状態に戻ってしまいます。
次の診察が1時間後、出血した場所を圧迫して、止血を試みます。
出血量が、いったん少なくなり、再び、病室へ。
しかし、少なくなったのは一時的なもので、結局、血の塊を吐き続けるということに変わりはありませんでした。
再手術の決断を迫られる
前回の診察から1時間後、再び、主治医の診察を受けます。
状況は変わりません。
このまま安静にしていても出血は止まるでしょうが、再手術で縫合したほうが圧倒的に早く、状況が改善するだろうということです。
決断を迫られるわけです。
答えは「再手術を受ける」でした。
数時間、血を吐き続けてきた自分にとって、さらに数時間、血を吐き続けるのは、もう嫌だという感情が芽生えていました。
運よく、食事をとっていなかったので、その日のうちに全身麻酔を受けることもできます。
主治医が各所に連絡し、態勢を整えます。
手術の同意書には家族のサインも必要なので、即座に、家族に連絡。
たまたま、近くにいて、家族の準備もOKです。
2度目の手術着、血栓防止用の靴下を身につけ、向かうは手術室です。
まさかの再手術へ
手術室に入ると、麻酔科医が待っていました。
きちんと説明、確認を取った後、手術室に入ります。
1回の入院で2度目の手術、流れもわかっていたので、全身麻酔で眠るまで、すんなりと進みました。
次に名前を呼ばれたときには、手術終了。
気管挿管の管を抜いて、隣に準備してあった自分のベッドに移動します。
なお、再手術の場合、止血の縫合がメインなので、手術時間は1回目よりも短かったです。
手術時間を表す時計を見てみると45分で終了していました。
主治医からの説明だと、止血剤をしみこませた綿を傷口にあてて、両サイドから包むように縫合するというものでした。
糸も綿も、唾液などで溶けるので、抜糸は必要ないということです。
(この糸が舌に当たってチクチクするのは、仕方のないところなのかもしれませんが。)
1回目までとはいきませんが、痛みはあります。
出血は、最初、口の中に残っていたものが出るくらいで、早い段階で唾液の血液はなくなっていきました。
安静時間は翌朝の診察まで。
それまでは起き上がることができません。
それでも、痛み止めも使えますし、1回目と比べると、痛みが少なく感じられたので、数時間、眠ることもできました。
眠っている間に唾液が糸を柔らかくしてくれて、途中、目が覚めたころには、舌にあったチクチク感も、少なくなっていました。
入院先の主治医の話では、引っ張られる感じがあるかもということでしたが、それほど引っ張られる感覚もありませんでした。
扁桃腺摘出手術:入院9日目(再手術翌日)~入院14日目(退院)まで
再手術後のポイントは、1回目の手術後と同じ感じだったなと思います。
診察で重視するのは止血しているかどうか。
食事は大事を取って、自分から流動食をお願いしました。
その後、キザミ食を食べられるようになり、点滴が外れました。
痛み止めは使い続けますが、痛みも和らいでいき、入院14日目が退院の日となったわけです。
自分のメモを見てみても、再手術翌日から退院前日まで、ほとんど同じ流れで、時間が過ぎていきました。
扁桃腺摘出手術:退院~退院1週間 退院後の後遺症など
扁桃腺摘出手術で心配されるのが、後遺症です。
手術の同意書に書かれていた可能性のある主な状況をリストアップして、私の場合を振り返ってみます。
舌の痛み
再手術後の退院当初は縫合の糸が溶けきっていないので、話すときにチクチクとした刺激は感じることもあります。
ただ、数日経過して、その感覚はほとんどなくなりました。
それ以外の痛みなどは退院当初から少なかったので、上下左右、前後に動かすことも簡単にできました。
味覚障害
こちらは残りました。
甘いものを食べていても苦さや塩辛さを感じることがあったのです。
口の中に残っている糸が溶ける段階で変化を与えたのかもしれません。
首、顎の痛み
首の痛みは継続しています。引っ張られるような感覚です。
長く話すと痛みが伴ったため、あまり無理をしないように意識する必要もありました。
その他(口蓋垂の痛み)
同意書には書かれていませんでしたが、退院から1週間が経過しても、口蓋垂(のどちんこ)のむくみは引かず、痛みが残っていました。
大きな声を長い時間続けて出すのは負担になったので、短い休憩をはさむなどして対処しました。
食事制限
再手術をしたこともあり、退院時には、手術部分も粘膜で覆われていましたが、それでも、辛いもの、固いもの、パサパサとしたパンなど、影響がありそうなものは、できるかぎり避けるよう指導を受けました。
実際、辛いものだと気付かず、ほんの少し口にしたところ、傷口にしみてしまい、話すことも大変でした。
扁桃腺摘出手術:退院後の受診(退院1週間後)
外せない予定があり、退院後1週間して、診察を受けました。
そこで行ったのは、
・手術した部分の確認
・残った糸の抜糸でした。
特に異常もなく、この診察で一連の流れは終了、食事制限も解除になりました。
早速、カフェに行ってコーヒーを飲みながらドーナツを食べたり、衣がついている揚げ物を食べたりして、久しぶりの食感を楽しむようにしたのを覚えています。
扁桃腺摘出手術:退院後の受診~退院3週間後
この2週間で、悩みに上がってくるのは、抜糸部分の腫れでした。
スマートフォンのカメラで撮影してみると、ポコッと膨れているところがあり、そこからの痛みや違和感が続くのです。
ただ、時間が経つにつれて、腫れの大きさも小さくなっていき、3週間後には、きれいになくなっていました。
その他の後遺症についてです。
味覚障害
徐々におさまってきました。
退院当初に感じていたような、苦さや塩辛さの感覚は、ほとんど消えています。
あと一歩かなという印象を抱きました。
首、顎の痛み
こちらも、徐々になくなってきました。
ただし、しゃべり続けると痛みを覚えてくることがあったので、気を付けないといけないなという注意は続けていました。
その他
口蓋垂のむくみは続いていました。
かかりつけ医に見てもらったところ、まだ、おさまり切れていないということです。
退院からしばらく経っても、この悩みは続いていました。
扁桃腺摘出手術:退院3週間後~退院1か月後
そろそろ全快になるかと期待していましたが、うまくいかないものだと感じました。
味覚障害のような味の変化も消えてはいませんでしたし、首の痛みも継続していました。
口蓋垂のむくみも、改善は見られますが、時折、息苦しさを感じるくらいです。
そこで、かかりつけ医に現状を相談し、鼻からカメラを入れてわかったのですが、
まだ、糸が残っていたんですね。
どうも、その糸の刺激を感じ取っている部分もあるとのことでした。
ところが、その確認の翌日、くしゃみをしたところ、口から出てきていたようで、喉や首に感じる刺激は、急激に治まっていきました。
ほんと、どこで何があるかわかりません。
扁桃腺摘出手術:退院1か月後~退院2か月後
糸が取れたおかげで、息苦しさは治まりを見せてきました。
このころになると、口蓋垂のむくみも、味覚障害のような違和感も消えてくれて、あとは、喉の中の引っ張られる感覚との付き合いです。
かかりつけ医の話によると、扁桃腺は梅干しくらいの大きさがあるそうで、それを除去したとなると、慣れるまでは、どうしても、引っ張られるような違和感は残るようです。
そこで、喉の違和感に効く漢方薬をもらいながら、仕事を続けていくことになりました。
この薬も、様子を見ながら飲めばよいということで、特に違和感の少ないときには、飲まなくても大丈夫というものです。
大きな仕事も、不安をほとんど残さずに、対応できるようになりました。
体を声を大切にしてほしいと強く実感
この手術による一連の経験から、人前で話す仕事に就く私にとって、喉や声を、より大切にしていきたいという思いになりました。
声が出せないときの自分がもどかしいこと、この上ないです。
マスクは必ず携帯する。
寒さを感じそうならば上着を着用する。
首元の冷えを感じないようにする。
様々な対策を取り続けています。
また、自分だけでなく、他の講師、教師など、言葉を通して、物事を伝えていく人にも、喉・声のケアをもっと意識してほしいと感じています。
SNSの書き込みを見ますと、肝心な仕事の前日に声が枯れてしまったという投稿を目にすることも少なくありません。
やはり、普段からの心がけが大切です。
どうか、ご自身の体を、喉を、声をいたわってあげてください。